ブルゴーニュの人たちが嬉しいときに歌う

バン・ブルギニョン

Ban bourguignon ♪ Lala lala lalalalalère ♪

美味しい食べ物とワインに恵まれたブルゴーニュ地方は、陽気に人生を楽しむ人々が住む土地として知られています。おいしい食べ物に舌鼓をうち、ワインに酔えば「みんなお友達」。そんな地方なので、言葉が通じなくても交流ができる側面があります。
バン・ブルギニョン
何か嬉しいことがあると飛び出す歌がブルゴーニュにはあります。
Ban bourguignonバン・ブルギニョン)」という歌。「ブルゴーニュの手拍子」の意味です。

日本の三三七拍子のようなものですが、こんな風に皆でする風習があるのは、フランスでもブルゴーニュだけではないでしょうか?

「ブルギニョン」とは?

ブルゴーニュの、ブルゴーニュ地方の住人という意味。女性形は「ブルギニョンヌ」です。
フランス料理の名前に「ブルギニョン」とついたものがありますが(ブッフ・ブルギニョンなど)、これはブルゴーニュの郷土料理を意味します。ただし、フォンデュー・ブルギニョンはブルゴーニュで生まれたようには思えないのですが...。


バン・ブルギニョンは、お祝い気分が高まったとき、例えば、結婚披露宴、歓迎パーティー、楽しく過ごした食事会などで飛び出します。

私が食事会で料理を出したときには、よく皆でバン・ブルギニョンを歌ってくれます。「おいしい料理をよく作った。ありがとう~!」という気持ちを表してくれるためです。

「バン・ブルギニョン」は歌といっても、「ラ・ラ・ラ」と「レール」くらいしか歌詞はありません。ただし、幼稚園のときに歌ったキラキラ星を思わせるような身振りがあります。

一度教えてもらったらすぐに覚えてしまいます。まずは動画をご覧ください。

バン・ブルギニョン
一度で覚えてしまう手拍子ではないでしょうか?

歌詞を書いてみると、こんな感じです。

     ラ~ラ ラ~ラ ララララレ~ル
     ラ・ラ・ラ、ラ・ラ・ラ、ララララララ
     ラ~ラ ラ~ラ ララララレ~ル
     ラ・ラ・ラ、ラ・ラ・ラ、ラ~! ラ~! ラ~!

どんな風にするのかコーチしている動画を入れます。

どんなときにバン・ブルギニョンが歌われるのか?
バン・ブルギニョンは、普通、その場の雰囲気で自然に飛び出してくきます。

どんなときに飛び出す歌なのか、動画で例をあげてみます。
例1: 拍手の代わり

ブドウ収穫の食事の席。下手なながらも演奏した人(おっと失礼!)をほめたたえるために、列席者たちがバン・ブルギニョンを合唱しています。



例2: ウエルカムの意志表示

イベント会場に姿を現した政治家を歓迎するためにバン・ブルギニョンが始まっています。おそらく政治的な集会だったはず。

ブルゴーニュにお迎えしたということをアピールするために始めたのだと思います。ブルゴーニュ人たちは、とても郷土愛が強いのです。



例3: スポーツの声援

ブルゴーニュでは、スポーツの応援でもよくバン・ブルギニョンが飛び出します。


ブルゴーニュが誇るオーセールのサッカーチームの試合風景です。

バン・ブルギニョンに続いて歌っているのは、同じくらい代表的なブルゴーニュの歌『ブルゴーニュの陽気な子どもたち』の「ブルゴーニュ人なのが誇らしい」という部分。こちらの曲については、ブルゴーニュ賛歌としてサイト内でご紹介しています。


例4: ワイン関係など、ブルゴーニュらしいイベントの席

ブルゴーニュの人たちが大勢で食事会をするときには、ワインもまわって陽気になったころに、食事を楽しんで良い気分だと表すためにバン・ブルギニョンが始まることがあります。

ブルゴーニュの宴会の雰囲気を出すために、進行役がバン・ブルギニョンを合唱しようと誘うこともよくあります。ブルゴーニュ以外の人なら、その場で教えて歌わせてしまいます。


バン・ブルギニョンが生まれたのは20世紀初頭のカフェ
『バン・ブルギニョン』は、20世紀初頭にディジョン市のカフェで生まれたと言われています。

こんな陽気な曲は第二次世界大戦中には忘れ去られてしまいましたが、戦後に復活。ディジョン市で行われるブドウ収穫祭の雰囲気を盛り上げるために歌われます。

バン・ブルギニョンは、ディジョン市、さらにコート・ドール県内、そしてブルゴーニュ地方全体で歌われるようになりました。



日本でも、ブルゴーニュワインの愛好会の集まりなどでは、このバン・ブルギニョンを歌っていらっしゃるのではないでしょうか?
  Ban bourguignon
作成: 2011年6月
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