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家では味見役もしています ボクは番猫の役割を果たしているだけではなく、味見役もおおせつかっています。料理が冷蔵庫の中に残っていたときには、まだ食べても大丈夫かどうかをボクが鼻で判断してあげているのです。 下の写真は、ブルゴーニュの郷土料理のエスカルゴを食べているところです。と言っても、お分かりのように残ったバターをなめているところですが・・・。 |
「ブルゴーニュだより」には、「エスカルゴの本場はブルゴーニュ」と題したページがあります。 |
チーズのおいしい食べ方 ボクの好物は、バターとチーズ。 チーズの方は、おいしく食べるのが難しい食品です。新鮮なうちに食べた方が良いチーズ、製造者が熟成させるチーズがあるだけではなく、熟成チーズを買ってからも家でさらに少し熟成させた方が良いチーズさえあります。 チーズは、どうやって保存するか、いつ食べるかがおいしさを決める問題になります。保存するときには、温度や通風も大事な要素。下手に保存すると、せっかくのチーズも台無しになってしまいます。チーズは生き物なのです。 高級チーズ店は、石造りの建物の地下にチーズ・セラーを持っていて、しっかりと保存する上に、独自に熟成もしています。そんなチーズ専門店では、同じチーズでも全然味が違います。
フランス人は、かなりこだわってチーズを選びます。店では、買うチーズを数種類選んで、さらにそれぞれの銘柄チーズの中から熟成度の好みによって選んで買います。スーパーでもチーズコーナーがあって、店員さんが熟成度を教えてくれます。大きなチーズは、欲しい大きさを言うと、重さを量って売ってくれます。 フランス人は、チーズは高価な食品だと言います。いつかテレビのニュースで、日本で売られているフランス輸入チーズはメチャメチャに高いと報道していたので、それに比べたら安いものだと思いますが。少なくとも飛行機代はかからないわけですから。 でもフランス人は毎日たくさんチーズを食べるで、やはり出費が多くなるのでしょう。なにしろフランス人は、1年間にチーズを平均20.4Kgも食べてしまうのだそうです! 詳しくは「ブルゴーニュだより」の「フランスの食事に欠かせないチーズ」のページをご覧ください。 |
エポワスというチーズが好物のボク ブルゴーニュにはエポワス(époisses)というチーズがあるのですが、これがチーズの中でも特にボクの好きなチーズです。 エポワスというチーズは、マールというブランデーの一種(ワインをつくったブドウの絞りかすからつくる)を表面に塗って熟成させます。強いアルコールで熟成させるのですから、とても強い匂いがします。 エポワスが好きな人たちは、買ってきたエポワスは冷蔵庫には入れないで、数日してから食べ始めます。チーズを上から軽く押したり、切ってきて内側の色を見たりすると、食べごろかどうかが判断できます。チーズの弾力性が弱かったり、中身がまだ白かったりするのは食べるには早すぎます。 トロンとしてからが食べごろなのですが、そこを過ぎると、ほとんど流れ出すという状態になります。切って食べるというより、スプーンですくって自分の皿に取り分けるという感じになるのです。匂いの方も、かなりすごくなってきます。でも右の写真のような状態か、その少し手前が一番おいしいのです。 すぐに食べきらないでいると、さらに酷い匂いになります。これを持って電車に乗ったら、みんな席を譲ってくれるだろう、と冗談が言われるくらい! フランスでも食べられないという人がいます。特に女性。ニンニクなんか食べると臭くなる、というのと同じ感覚でしょうか? 家に来るお客さんの中には、食事が終わりに近づいでチーズのときにエポワスを置いたら、「あっちにおいて〜!」などと顔をしかめる女性もいました。 でもエポワスは、ブルゴーニュ自慢の高級チーズなのです。農業が盛んな地方なのに、なぜか高品質な食品に与えられるAOC(原産地統合呼称)を獲得しているチーズはエポワスだけです。南部で生産されている美味しいヤギのチーズもAOCを獲得しようとしているのですが、まだもう少し待たなければならないようです(追記: その後、マコネとシャロレのシェーブル(山羊のチーズ)もAOCを獲得しました!)。 そんなわけですから、ブルゴーニュの人たちがエポワスに思い入れをしているのも無理はありません。そして家の人たちは、エポワスをネコのボクが好物にしているのをとても自慢にしています。普通のネコは、ちょっとアルコールの匂いがしただけでも顔をしかめてしまうものですから。 エポワスを製造しているところは幾つかありますが、ボクが一番好きなのはベルトー社のものです。エポワスがAOCを獲得できたのは、ベルトー社の長年の努力によるものでした。 ベルトー社のエポワスには、エポワス村にあるお城の望楼のマークがついています。普通サイズは250g、大きなものは700gから1100gのチーズがありますが、ボクは大きさにはこだわりません。 昔はブドウかなにかの葉っぱで箱の中のチーズが包まれていたそうですが、ボクは変な紙に変わってからしか知りません。昔の方がもっと味が良かったのだろうと思いますが、今の世の中の人間たちは、衛生上のことばかり気にしますから仕方ありません・・・。 エポワスの味が変わった!? ところが数年前、生乳でチーズをつくるとバイ菌が入ると騒がれたとき、ベルトー社もミルクをほんの一瞬だけ熱を通してからチーズを作るようになりました。 製法が変わったとは知らなかったボクは、ある日突然エポワスの香りがどことなく違っていたので驚きました。少し食べてみましたが、なんだかいつもと違います。ボクは食べることを拒否しました。 家の人たちは、猫のボクがブランデーで洗って作るエポワスを好きなことを自慢していたので、大慌て。彼らはエポワスの製法が変わっても、味の方は全く同じだと思っていたからです。 味が変わらない特殊な処理をしているのだと説明してくれました。でもボクの許可も得ないで、ベルトー社が製法を変えたのは許せないと思いました・・・。 その後も数回拒否したのですが、そのうちボクも誘惑に勝てなくなりました。トロンとしたクリーミーなチーズが大好物なのです。それにボクもブルゴーニュっ子。やはりエポワスは最高のチーズだ、と思って食べています! |
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エポワスがどんなチーズなのかボクはうまく説明できなかったので、 「ゆうこ・チーズ・Net」さんの見事な表現を引用させていただきます。
「ネコのおしゃべり」編集部より追記: 「ブルゴーニュだより」にもエポワスを紹介するページが入りました。 ブルゴーニュのチーズ (1) エポワス |
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2004年2月
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