フランスの奥地に住む ミネット
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 ミネットは近所に住むディディのことを紹介したのですが、その後、ミネットとディディの家は喧嘩をしてしまいました。でも嬉しいニュースもあります。


ミネットは出産しました!
 ミネットは庭の片隅にある、庭仕事の道具を入れてある小屋で出産しました。

 アンリエットお婆さんも大喜び。それで子猫たちを撫でようとしたら、アンリエットは子猫たちを連れて隠れてしまったのです。そっとしておいてあげれば良かったのにね。

 庭のどこかにいるんでしょうが、ともかく広いお家なので、アンリエット親子がどこに隠れているのかお婆さんは分かりません。

 出産前のミネットは、なぜか、お隣の家のポストで郵便を待つことが多かったそうです。
 コウノトリって、郵便屋さんが配達するものなのでしょうか?・・・ でも、なぜお隣の家?・・・
 そのうち赤ちゃんたちがしっかりしてきたら、ミネットが自慢げに連れて歩くことでしょうね。楽しみにしていましょう。


ディディの家とは喧嘩してしまいました
 ミネットは近所に住むディディの紹介をしました。ところが、その後、ディディのところとは険悪な仲になっていると報告されました。ディディのパパが教えてくれたのです。

 発端はディディの家で飼っているヒツジ。ある日、逃亡して、アンリエットお婆さんが、大切に、大切に! している畑を荒らしてしまったのです!

 お互いに土地が1ヘクタール以上ある家だから、ヒツジがそこまで遊びに行くとは考えていませんでした。それで両家とも、ほとんど空き地にしかなっていない庭の部分には、垣根のようなものはなかったのです。

 ヒツジが畑を荒らした!という噂を聞いたディディのパパは、さっそく謝りに行きました。そしたら案の定、お婆さんはすごい剣幕!

 畑の野菜くらいのことであんまり怒るから、やけになって、「弁償するから、いくら払えば良いかか言ってください」と言ったそうです。そしたら、「あんたみたいに貧しい人からお金はもらえません!」と、お婆さん。それで、ディディのパパの方もカンカンになってしまいました。

 田舎って、近所付き合いが深いけど、つまんないことで喧嘩したりもするんです。「死んだお父さんがあの家は嫌いだったら、私も嫌い」、なんて、なんだか分からない仲の悪さもよくあること。こっちの村の人たちとは仲良くするけど、あっちの村の人とは付き合わない、なんていうのもあります。

 人間の社会って複雑なようです。ボクはネコでよかった・・・。


お爺さんは庭に柵をつくった
 
 ヒツジが畑を荒らすのは、庭に柵がなかったのがいけなかったということもあるので、ミネットの家では畑の周りには柵をつくろうということになりました。自分の敷地の境界柵をつくっておくのは義務なのだそうです。

 柵を作るのは当然、男の仕事。でも、お爺さんの方は腰がまがっていて、じっと座っているのも辛いんです。何かの手術に失敗したのが原因だとか。

 それでも、お婆さんにハッパをかけられたお爺さんは、野菜畑をぐるっと囲むフェンスを設置しました。野菜畑と言っても、ものすごく広いそうなので、大変だったと思います。本当にお気の毒・・・。

 ちなみにカカア殿下のことを、フランスでは「奥さんがパンタロンをはいている」と表現します。古い時代を生きるアンリエット叔母さんは、パンタロンなんかはいたことないはずなのですが!


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