ネージュ(Neige)より

オーヴェルニュ地方からの便り  @
Neige en Auvergne  (1)

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私の名前はネージュ(Neige)。「雪」という意味です。私の写真を見たら、すぐに私にふさわしい名前だと分かってくださると思います。
    
白雪姫を思い浮かべてくださったと思います。でも私は7人の小人ではなくて、おばあさんと一緒に住んでいます。

おばあさんは一人暮らし。もう70歳を過ぎていますけど、元気です。でも子どもたちは、心配だから、せめて冬の間だけでも老人ホームに入ってくれれば良いのに…と言っているそうです。

私たちが住んでいるオーヴェルニュ地方は、冬の寒さが厳しいのです。おばあさんは頑なに昔の生活を守っていて、家の暖房も薪をくべる暖炉だけ。すぐに薪は燃えてしまうし、運んでくるのは重いので、とっても大変なんです。

ときどき子どもたちの家に泊まりに行くこともあるのですが、長くは滞在しません。家を変えるのが嫌いな私が可愛そうだし、おばあさんも自分の家で好きなように暮らした方が気楽で良いのだそうなのです。戦前までは、フランスの田舎では親子が同居するという風習があったそうですが、今では二世代で同じ家に住んでいる人はほとんどいなくなりました。

それでも、おばあさんのお友だちの中には、冬の間の4ヶ月を娘の家で過ごしたりする人もいます。町のアパートなので住み心地が悪いそうですが、冬の田舎は暮らしにくいので我慢しているそうです。老人ホームに入っていて、夏の季節が良い時期だけ田舎の家に帰って暮らす人もいます。

私たちのお家は教会のすぐ近くにあります。それで、おばあさんは教会のお掃除をしたり、庭に咲いたお花を飾ったりしています。もちろんボランティア。敬虔な信者なのです。

私はおばあさんが行くところ、何処にでもついて行きます。

でも教会をきれいにしている間は、外で待っているように言われています。ネコが教会の中に入るのを嫌がる人もいるそうなので…。

写真の下に小さく写っているのが私です。見えますか? いつも、こうやって、おばあさんが教会の掃除を終わって出てくるのを辛抱強く待っているのです。

おばあさんは私をとても可愛がってくれています。ネコを7匹も持っている人に会ったとき、おばあさんは「そんなにたくさんいたら、充分に撫でてあげられなくて可愛そう!」と憤慨して言っていました。

私が先に死んでしまったら、おばあさんは元気がなくなってしまうと思う。私も、おばあさんが先に死んでしまったらどうしよう…と思ったりすることもあります。私たちは一心同体なのです。



私たちが住んでいるのは、とても小さな村です。でも村には、レストランとカフェも兼ねている小さなホテルもあります。小さな何でも屋さんもあります。こんな小さな村は、フランスには数え切れないくらいありますが、お店が全然ない村の方が多いんですよ。

私たちの村から少し離れた山の中に、とても小さな集落があります。こちらに住んでいたら、私も小人たちの仲間を持っていただろうと思うくらい、人里離れた村です。

とても美しい村なのでご紹介します。



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