トリュフ  truffe

 truffe

トリュフというキノコはフランスでは大変なご馳走です。独特の香りがあるので珍重されています。

土の中に完全に埋まっているし、歯ごたえのある丸い塊なので、変なキノコです。こんなものを始めて食べてみた人は勇気があったと思います。紀元前1600年ころの文書にトリュフのことが書かれていて、神秘的な産物だと表現されているそうです。キノコの仲間だと思われなかったのは当然だと思います。

椎茸やマッシュルームのように人口的には栽培できないので、高価なキノコになっています。自然に生えたトリュフを豚や犬を使って探す方法がありますが、トリュフが育ちやすい環境にするために木を植えている所もあります。

ペリゴール地方のトリュフが有名ですが、ブルゴーニュ地方でも取れます。実際、ルネサンス期までは王様の食卓にのぼるトリュフはブルゴーニュ産だったのだそうです。

全国的には11月から3月頃がトリュフの採集期のようですが、ブルゴーニュでは10月中旬が熟していて食べ頃なのだそうです。

フランスの森は公有林でも私有林でも自由に入り込めます。私有林では「ここは私有地」などと書いてある看板が立っていることもありますが。ペリゴール地方を旅行したときには、「立ち入り厳禁」などと書いた看板があって、さらに綱などで囲いがしてある森があったので驚きました。たぶん貴重なトリュフが取れるからなのだろうと想像しました。
上の写真、シャンパーニュ地方の朝市に出ていたトリュフだけを売るお店。まるで金を売るように綿密に目方を測って売られていました。フランスで野菜や肉を売るときには1キロ単位が普通なのですが、トリュフの値段は10グラム単位で表示されていました。

トリュフは1個が30〜50グラムくらい。1個当たり1000円から2000円という値段でした。飛びぬけて高い食品ですが、少し料理に入っていれば喜べるものですから、手が届かないという値段ではありません。もっともパリなどの店で売られるときには、もっとずっと高い値段になっていると思いますが。

トリュフは1週間くらいしか保存できませんが、生卵を入れ楽た容器に入れて密封しておくと匂いが移って、その卵をシンプルなオムレツ料理にしただけで楽しめます。冷凍したり、アルコール漬けにして保管する人もいますが、やはり新鮮なうちに食べてしまうのが一番。

トリュフを使った色々な料理がありますが、単純にスライスして料理に乗せて食べるのがベストだと感じています。歯ごたえもあって、いかにも「トリュフを食べた!」という感動がするのです。

トリュフにも幾つか種類がありますが、左はブルゴーニュで取れたトリュフ(Tuber uncinatum) という種類)を2つに切ったところです。大きさは色々ですが、写真に入れたものは、長い方の半径が5センチありました。

朝市などでフレッシュなトリュフを買うときには、切り口を見せてもらって成熟しているものかどうかを確認するのがベスト。良心的な販売人だと、頼むまでもなく切り口を見せたものを売っています。
 

楽天市場でトリュフを探してみる

フランスのトリュフが最高と言いたいのですが、私はイタリアの白トリュフが一番好きです。
フレッシュなトリュフが最高ですが、もちろん季節には限りがあります。

トリュフの香りが強い濃縮オイルも料理には重宝します。
 白トリュフ オイル

トリュフがある場所は、まわりに草も生えていないので分かるとか言われますが、地上からは姿が全く見えないので、森の中を散歩していれば見つかるというものではありません。

毎年トリュフを見つける友達は何人もいるのですが、貴重なキノコなので、何処で見つけたのかは絶対に話しません! 聞いてみることさえ遠慮してしまいます。

ようやくトリュフ狩りに連れて行ってあげるという人が現れました! ブルゴーニュ北部に住む友人です。

金曜日の朝8時までに約束の場所に行くのは大変ですが、貴重なチャンスですから「朝は苦手」などとは言っていられません。でも、その人はお医者さんなのです。トリュフのシーズンには、毎週1回は彼のクリニックを休業するのかしら?…などと気になりました。

先週は1回で2キロも見つけたので、私が行くときも「必ず見つかるはずだ」と言っていました。2キロといえば、大きなトリュフで40個くらい見つけたことになります。そんなに見つかるものなのかと驚きました。
 トリュフ狩りに行って分かったのは、特別に訓練された犬の能力の素晴らしさでした。

トリュフがない所はどんどん走って行き、ある場所になるとクンクン鼻を地面につけて嗅ぎだします。あるいは何気なく走っているうちに、突然ユーターンしてトリュフを見つけだしたりもします。

トリュフを見つけるのは豚や犬なのですが、人間にはとてもできない芸当です。トリュフがある場所には行くのですが、広い面積の中で土を掘らないと出てこないキノコなのですから、そこらじゅうを掘るわけにはいきませんので。 
トリュフがある場所にはハエが迂回しているので分かるのだ、などと聞いたこともありますが、森の中でそんな場所を見つけ出すのには根気がいります。

私たちのトリュフ探しの名人のルーナちゃんは、見つけると足や鼻を使って土を掘り出します。あっと言う間のことです。ほんの鼻先で掘り出してしまうほど浅い所にあることもあれば、かなり深く掘らなければならない場合もありました。

掘り出すと、口にくわえてご主人に手渡します。本当はトリュフが好きなのに、ちゃんと渡すのです。賢いこと! くわえそこなって地面に落としてしまった時にも、どこに落ちているかを探してもらいます。

土をかぶった黒いキノコなので、目の前に落ちていても人間にはほとんど見えないのです。

左の写真は、トリュフを森の地面において撮影したものです。3つあるように見えますが、左の小さなものは、実はトリュフだと思って拾ってしてしまった土の塊です! 家に持ち帰って洗おうとしたときに、初めてトリュフではないと気がつきました。ほとんど見分けがつきませんでしょう?

トリュフを一つ見つけるたびにご褒美。ご主人はちゃんと餌が入った瓶を持っていました。トリュフとチーズを小さく切ったものに、犬の餌を混ぜたものでした。励ましの言葉も忘れません。

森に普通のキノコを採りに行く時には、目を皿のようにして探さなければならないのですが、犬とトリュフを探しに行く時には、犬にはぐれないようにすれば良いだけなの楽です。もっともトリュフがない場所では、犬はどんどん走るので、木立をかきわけて犬の後を追うのは大変ではありましたが!

この日、午前中をかけて探し出したトリュフは1キロ足らず。それでも大した量です。私にも特別に大きなものを数個もらいました。友人のお医者さんはレストランでお昼をご馳走してくれました。その後は、癌で死を宣告されている患者さんの家に遊びに行くのだと言っていました。もちろんトリュフをお土産にして。

トリュフに関する情報を提供しているサイト (フランス語と英語)

価格など本文の記述: 2003年11月  文章更新: 2008年5月


Home