ラムソン

仏語名: Ail des ours, Ail des bois, Ail petiole, Ail à larges feuilles
学名: Allium ursinum
科属名: ユリ科 ネギ属

 
Allium ursinum

熊のニンニク

かなり昔、フランスで野に咲く花の美しさに目覚めた頃のこと。旅行をしていたら、この白い花がたくさん咲いているところに出会ったことがありました。

きれいな白い花だし、茎がすっと伸びているのでスズランのように活け花にできる。喜んで、たくさん摘みました。

ところが、車に乗って走り出したら、強い匂いがしてくるのがたまらなくなりました。強烈な匂いが花からだと気が付き、これはたまらない! とばかりに、泣く泣く摘んだ花を捨てました。

その後、これは「Ail des ours(熊のニンニク)」と呼ばれる野草だったことを知りました。そう言われれば、ニンニクのような強い香りがある草なのでした。

フランスでは、熊は非常に珍しい動物です。それなのに、なぜ「熊」という名前がついているのかと不思議に思いました。どうやら、冬眠から覚めた熊が、この植物を食べて元気をつけることに由来しているようです。食べるのは球根なのかもしれません。

日本語ではラムソンと呼ぶそうです。英語ではRamsonsと呼ぶからだと思います。

Illustration Allium ursinum1.jpg

食用になる野草

ラムソンは古代から薬用植物として知られていました。球根や葉を食べることができますが、主に使うのは柔らかい葉です。球根が素晴らしく美味しいのだ、と言う人もいましたが。

最近のフランスでは、創作料理を出すレストランが昔懐かしい食材を好んで使う傾向が出てきたので、ラムソンを使った料理にも出会うようになりました。

ラムソンの葉をあしらった鶏肉料理



エスカルゴのラビオリ、ラムソンのソース



食べ方は、そのままサラダとして、ほうれん草のように茹でて、ペストにして、スープにして、などなど、色々あるようです。

葉を食べるには花が咲く前が良いと聞いたのですが、レシピを見ると、花も飾りのように使っているものもありました。


地方都市の朝市では、ラムソンの葉が売られているのをたまに見かけます。
右側がラムソンで、その左にあるのは同じく森に自生する野生のアスパラガスです。

内部リンク: 野生アスパラガス


ラムソンの探し方

森の中、湿気が多く、日当たりが悪いところに群生しています。花が咲く前の葉は柔らかくて、いかにもおいしそうに感じます。



2011年4月上旬撮影

あるところには、いくらでも生えています! 下は観光できる城の庭園の続きにある森。これを収穫して朝市に持って行くとしたら、トラック1台分くらいは簡単に収穫できるほどのラムソンが生い茂っています。


葉を食用に使うには、花が咲いてしまう前に摘むのが決まりだそうです。

2013年5月下旬撮影

探すときの注意はスズランの葉と間違えないこと。ちょうどスズランが森に咲く時期なのです。ただし、ラムソンは葉を摘んでもんでみると強い匂いがしますので、スズランの葉と間違えてしまうことはまずないと思います。

内部リンク: スズラン


ラムソンを森で探し、タルトを作るのを見せるビデオ

Ail des ours plantes medicinales alimentaire par plantes-environnement


作成: 2011年4月  更新: 2014年5月
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