フランスのご馳走: フォアグラ (Foie gras)

フォアグラはテリーヌにするだけではない


Salade composée de filets d’oie fumés, noisettes de melon et noix
 目次: 世界三大珍味のフォアグラとは?
フォアグラのテリーヌ フォアグラのテリーヌを味わうには? レシピ: フォアグラのテリーヌ
フォアグラはテリーヌにするだけではない
フォアグラはテリーヌにするだけではない
 フォアグラ飼育農家で作っている加工食品  マグレ  コンフィ リエット
フォアグラ用に飼育されたガチョウ(グース)や鴨(カモ)の胸肉は「マグレ」と呼び、珍重される食材となっています。
また、フォアグラ用でなく飼育されたガチョウやカモからも、コンフィやリエットなど、おいしい食材が作られています。

フォアグラ飼育農家で作っている加工食品

フランスでフォアグラの産地として有名なのはペリゴール地方やアルザス地方。でも、フランス人には人気のある食材なので、どこを旅行しても生産者がいるように感じています。

下は、ブルゴーニュ地方でカモを飼育している農家が売っている加工食品のウインドーです。
手前の右端の瓶が自家製フォアグラ。その後ろにあるのはコンフィ。

手前の左端にあるのはスモークしたマグレ。ハムのようにスライスして食べます。その他、リエット、リエットとフォアグラを入れたデュオなどがあります。

下の写真は、食品見本市のイベントで、このカモ飼育農家がつくった簡易レストランで出された前菜のお皿です。

イベントの仮設レストランで出された前菜の皿
フォアグラ用鴨を飼育し加工食品を直売している農家の商品
(デュオ、フォアグラ、リエット、マグレ・ヒュメ)

春だったので、飾りに近所でとった野生のアスパラガスをあしらっていました。
中央には、農家が直売している玉ネギのジャムがあります。

マグレ


フォアグラ用に飼育したガチョウやカモでは、「フォアグラ」と呼ばれる肥大した肝臓の部分が世界の三大珍味とされているのですが、もう一つ、珍重される部分があります。

フォアグラ用に飼育されたガチョウや鴨の胸肉の部分を「magretマグレ)」と呼び、美食家に喜ばれる食材となっています。

特に、スモークしたものが素晴らしくおいしいです。


最高級マグレカナールのスモーク
(フランス産)

マグレカナールのスモーク
(ハンガリー産)
マグレのスモークを楽天市場で探す

ハムのように薄く切ります。酒のつまみに向いており、そのまま食べてもも良いのですが、カナペにしたりもします。また、サラダの上に乗せるということもよくします。


フランスで軽く食事したいときに便利な一皿料理「サラッド・コンポーゼ」
スもーくしたサーモンと鴨のスライスサラダにのっている

このページの上に入れた写真もレストランで出された料理ですが、サラダの上にのっている薄くスライスした燻製はガチョウのものでした。鴨(カナール)のマグレをスモークしたものは簡単に手に入りますが、ガチョウの方は珍しいです。


もちろん、マグレはステーキにすることもできます。

バーベキューで焼いた鴨のマグレ
鴨肉のマグレ:

フランス産 マグレ・ミュラー
ガチョウのマグレ:

最高峰フォアグラドオア採取後のロース
マグレを楽天市場で探す
なお、鴨のマグレを薄くスライスしたものは「エギュイエットaiguillette)」と呼ばれ、マグレよりは少し固いのですが、美食家に喜ばれる食材となっています。ただしマグレよりも入手しにくい食材です。


その他にも、フォアグラ用に飼育されたわけではないガチョウやカモからも、とても美味しい加工食品が市販されています。

コンフィ

フォアグラ用のカモを飼育している農家で買うのが好きなのは、もも肉のコンフィConfit)です。鴨の脂(ファットオイル)でじっくりと煮込んだものです。

もちろん、ガチョウの方もコンフィが作られています。

長く保存できるので、何も食べるものがないときのために、いつもストックしています。焼くだけで立派な料理になるので、これほど便利なものはありません!

コンフィ・ド・カナール
ナイフなしでも食べられてしまえるほど柔らかいお肉です。皮はパリッさせて焼くのがコツ。味わいは北京ダックを連想させます。

鴨すね肉2本入りのコンフィ
フランスで買うのは、煮込んだ鴨の脂と一緒にすね肉が2本入っている瓶です。このオイルも後で利用できるので非常に便利です。

生産者から聞いた料理法:
1) 瓶の蓋をあけ、熱湯の中につけて鴨肉と脂を分離させる。
2) 脂を切った鴨肉をオーブンかフライパンで焼く。

瓶に残ったオイルは、冷えてから冷蔵庫で保存します。豚のラードのように固まります。バターの代わりに使えるのですが、風味があって素晴らしく美味しいだけではなく、バターのように焦げないのも便利。

ガチョウないし鴨の脂(graisse)は、健康に良いオイルなのだそうです。コンフィを作った後に瓶に残っているものは長時間調理した後のものなので、脂として売っているものより質が悪いのだそうですが、フランス人は誰でも捨てないで使うのではないでしょうか?

このファットオイルでさいの目に切ったジャガイモをじっくりとフライパンで炒めて、塩胡椒とパセリを散らすだけでおいしいです。普通の炒め物に使ったりするほか、チャーハンをつくるときにも利用しています。

コンフィドカナール
(バルバリー種)

鴨のコンフィ

鴨のコンフィ
骨付き鴨モモ肉のオイル調理加熱済み
日本では、なぜかオイルにつけた状態のコンフィが市販されていないようですが、オイルを別に売っているお店はありました。

鴨のもも肉とカナールオイルで
鴨もも肉の本格コンフィーに挑戦!
鴨の本格コンフィーセット

カナール・オイル(鴨脂)

ルージュ社製
ルージュ社製グースファットオイル

鴨やガチョウのコンフィは、フランスではレストランでもよくメニューにのっています。実は、私は鴨ないしガチョウのコンフィをメニューにしているレストランには原則として入らないことにしてます。

コンフィは大好きなのです。でも、調理済みのものを手に入れば、料理が下手な人でも美味しく仕上げてしまえるのです。つまり、そんな料理をメニューにしているということは、他にプロらしい料理を作れないレストランなのではないかと疑ってしまうのです!

ところで、市販されているコンフィは、フォアグラ用に育てたガチョウやカモを使っているか明確ではありません。私がカモ飼育農家から買った鴨のコンフィのレッテルに書いてある材料を見ましたら、「maigre et gras de canard」と書いてありました。

リエット

最後に、ガチョウやカモの肉で作った「リエットrillette)」もご紹介しておきます。コンビーフのような感じの加工食品で、パンにつけるペースととして食べます。

コンフィにはしない部分をラードで柔らかく煮て作るようです。コンフィもそうですが、フォアグラ用に飼育した鴨やガチョウからはたくさん脂分がとれるので、このような商品が生まれるようです。

パテ・リエット・ド・オワ
ガチョウのリエット

ルージュ社製

ガチョウの肉をコショウや
ガーリックなどで煮込んだ、食欲をそそる一品
ルージュ社製

鴨のリエット
ルージュ社製
フランス/ぺリゴール産


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