カエルのもも肉料理
Cuisses de grenouilles

 カエル料理とは?

イギリス人は「蛙を食べるフランス人」と言ってけなすそうですが、日本ではエスカルゴほどにはカエルがフランスの食材になっているのは知られていないのではないでしょうか?

カエルを食べると言っても、フランスで食用とする蛙の種類は限られていますし、料理として出てくるのは後ろ脚の部分だけです。鶏肉に近い味がする、といえばご想像いただけるでしょうか? ただし、おいしいのと、名ばかりのカエル料理とでは大きな差があります!

フランスで沼地がある田舎では昔は簡単にカエルを釣ることができたそうですので、カエル料理は手づかみで食べる庶民的的な料理だったはずなのですが、今ではフレッシュな蛙は高級食材となっています。

この1ページ目では調理されたカエルの写真だけを入れます。2ページ目では生のカエルをお見せしますので、デテモノが苦手な方は次のページには進まない方が良いかもしれません。


目次: Page 1: カエル料理とは? Page 2: 素材のカエルとは?
カエル料理は手づかみで食べる フランスで食用にされるグルヌイユとは?
レストランで美味しいカエル料理を味わうには? フレッシュなカエルは高級食材
カエルの調理法にこだわる カエルの調理法を見せるビデオ

カエル料理は手づかみで食べる

カエル料理との初めての出会いは、日本でフランス語を勉強していたときの授業で使われたビデオの1シーンでした。

ビデオが始まると、フランス人の家族がカエルを食べているという場面が出てきたのですが、唖然としてしまいました! 彼らは手づかみでムシャムシャと蛙をかじっていたからです。

当時は、フランス料理は気取って食べるものだと思っていたので、こんな食事風景が出てきたのが意外だったからです。

タイトルの下に入れたカエル料理は、カエルが郷土料理になっている地域にあるレベルの高いレストランの創作料理ですので、ナイフとフォークでもカエルのもも肉が食べられるように調理されていました。

でも、普通は、カエル料理が出てきたら足を手で持ってでないと食べられません。骨を残さなければならないので、カニの足を食べるようにしゃぶりつくことになります。
庶民的なカエル料理

冷めるとおいしくないので、ロウソクなどで温める道具に乗せてあるものをとって食べます
このように出されたカエル料理は手で食べます。手が汚れるので、レストランではレモンが浮かんだフィンガーボールや、使い捨てオシボリを出してくれます。

 フィンガーボールソーサーセット

レストランで美味しいカエル料理を味わうには?

フレッシュなカエルを使った料理が一番!

カエルのもも肉と言っても、フレッシュか冷凍物かで、価値は全く異なります!

カエル料理をレストランで注文するときには、まずフレッシュな素材を使っているかどうか確かめます。それよりも先に、料理の値段が安かったら、まず冷凍を使っているだろうと疑います。

このレストランなら大丈夫というところでも、入荷がなくて冷凍を使っている可能性があるので、フレッシュのカエルを使った料理であるかどうかをウエーターに聞きます。悪意のある店でない限り、正直に答えてくれます。

たいていのレストランでは、生のカエルを使った料理は高価なことを正当化するために、フレッシュであることを明記しています。

カエル料理に慣れていると、始めの1つを食べただけで、フレッシュな素材を使っているか、冷凍を使っているかは分かります。


伝統的にカエル料理がある地域で食べる

レストランでおいしいカエル料理を食べようと思ったら、カエルが郷土料理になっている地域で味わうのが一番です。

ブルゴーニュ周辺地域で例えれば、ブルゴーニュ南東部にあるマコン市のあたりでフレッシュなカエルを食べられるのですが、そこを離れてしまうとレストランのメニューには余りのっていません。

環境の変化で地元産のカエルがなくなったとしても、やはり伝統的を守ろうとする努力があるので、新鮮な素材を入手しています。

カエルが郷土料理になっていない地域では、冷凍のものを使っていたり、調理も上手でないことが多いです。いくらカエル料理が好きな私でも、カエルを素材とした伝統がない地域では食べないことにしています。

新鮮なカエルのもも肉は高級料理


2009年秋、レストランで撮影
右の写真は、ビストロ風レストランでカエル料理定食を掲示していた黒板です(2009年秋撮影)

前菜のあと、カエル料理がメイン料理として出され、フレッシュチーズかデザートを選ぶという定食で38ユーロ(5,000円強)ちなみに、このカエルもも肉料理を単品で注文すると25ユーロ。

写真で赤枠で囲った部分がカエル料理を示しています。

「カエル(grenouilles)」という文字に「フレッシュ(fraiches)」と形容詞を付けて冷凍ではないことを示すのは普通なのですが、ここではさらに「野生(sauvages)」の文字まで付けて強調しているのが面白いと思いました。

カエルの調理法にこだわる

カエルの調理法は色々あるのですが、私が好きなのはガーリックとパセリで風味を出すシンプルなソテーです。

その料理名は徹底していないようなのですが、「Cuisses de grenouilles sautées à l'ail et au persil」というのが一般的でしょうか? ニンニクとパセリとパターというソースは、ブルゴーニュのエスカルゴ料理の代表、殻に詰めるエスカルゴと同じソースとも言えます。

カエルは生の牛乳に漬けこんで身を柔らかくするなど、色々な秘訣はあるようです。

小麦粉をまぶしたカエルをオイルでカラッと炒めてから取り出し、オイルは捨て、質の良いバターをたっぷりと入れるのがポイント! こんな風にバターが白く泡立ちます。
カエル料理を得意とするレストランで出されたものです。とりだしたカエルは熱したグラタン皿に入れて、そこにバターを入れています。ジュージューという皿を持ってきて、手早く皿に盛り付けてくれました。

グラタン皿にはたっぷりとバターが入っていますが、食べる皿の方にはほんの少し入れるだけです。

これを食べ終わったころ、アツアツのお代わりを持ってきてくれます。
フライのようにパリっとあがったカエル、カリカリとするニンニク、温めただけのバターの香りが漂ってきます。油を使っていながら、全く脂っこくないのが上手な仕上がりです!

カエルのもも肉料理
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どんなカエルなのかをご紹介します。
少しグロテスクかもしれませんが...
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